小松島の家 / House In Komatsushima

「間」に住まうこと

四方に田園が広がり南西方向に山々を望む。自然の恩恵をダイレクトに享受できるこの場所に立って、全身で呼吸出来るような、野原に大の字で寝ころぶような住まいを目指したいと思いました。
敷地内それぞれの場所で自然との関係を読みとり、その場所に相応しい諸室を自然との繋がりを持たせる開口、テラスを設けて配置しました。そして、これら諸室を緩やかに繋げていくこと、すなわち個々の室からは、また別の室が窓、テラス、庭、屋根架構等を通して感じられるように構成しています。
このように自然との「間」、空間と空間との「間」に住まうことがこの場所に相応しいと考えました。これら2つの「間」と共に、記憶との「間」という要素も加えている。
敷地は住み手の生家があった場所でもあり、老朽化し解体することとなった母屋の材料(瓦、柱、梁、建具、基礎御影石)を一部保存し、また思い出のある木々を残し各空間に再利用しています。
自然、空間、記憶の「間」に住まう住宅となっています。

所在地:徳島県小松島市

用途:一戸建ての住宅

構造・規模:木造在来工法・地上2階

延床面積:163㎡

竣工年:2000年

Site : Komatsushima, Tokushima

Use : Private house

Structure : Wood

Floors : 2 upper floors

Total floor area : 163sqm

Completion year : 2000

木の国日本の家デザインコンペ2003 優秀賞受賞

掲載誌:新建築住宅特集 2001年12月号

photo by Yonezu Akira , Naotake Moriyoshi