古川ビル / Furukawa Building
オーナー住戸付き賃貸ビル
間口4.5M、奥行き23Mの狭小細長敷地です。1階を事務所、2階を住宅一戸、3階〜5階をオーナー住戸とした事務所付き集合住宅の形式をとっています。最大のテーマは都心のこの細長い敷地でどのようにして居住性を高めるかでした。具体的には天井高を変化させ、吹抜けを設けて断面的な広がりをもたせることで解決を図っています。住人が室から室へ移動するなかで天井高は変化していき、上部或いは下部に抜けた空間に出会う。そうすることによって平面的な知覚よりも断面的な知覚体験が優先され敷地形状を意識させない効果をねらっています。また周辺の環境を遮断し居住性を高めるために南側バルコニー前面に壁と木製のルーバー(不燃認定品)を設けて外部との結界を作っています。ルーバー間隔は各床から2M程は密にして路上からの視線を遮り、上部にいくほど粗にして十分な陽光も確保出来るようにしました。また可動式として必要に応じて開閉できるようにもなっています。木のルーバーのグラデーションと白い壁が、幹線道路沿いに柔らかい表情を与えています。
所在地:東京都台東区
用途:オーナー住戸付き賃貸ビル
構造・規模:鉄骨造・地上5階
延床面積:361㎡
施工会社:岡建工事
竣工年:2003年
Site : Taito-ku, Tokyo
Use : Multi dwelling + Office
Structure : Steel
Floors : 5 upper floors
Total floor area : 361sqm
Construction company : Okaken koji
Completion year : 2003
掲載本:まちなみ住宅のススメ( 鹿島出版会)
2003年まちなみ住宅100選優秀賞受賞