リビングに木の箱が浮遊する
都心の25坪の敷地に建つ住宅です。段状になった敷地そのままに、建坪率いっぱいの段上の床を設け、北側斜線が許容する範囲のコンクリートの壁を立てて、可能な限り最大のLDKを確保しています。その他必要諸室は、閉じた二つの木の箱の中に確保し、寝室、浴室、客間として機能を満たしながらも、コンクリートで覆われた空間に浮遊する木のオブジェのように存在させています。
二つの木の箱は屋根を突き抜けて立ち上がり、間にテラスを設けました。寝室と浴室とこのテラスは、内と外が一体となった空間となって、下階のリビング空間とは違う経験ができる場所としています。吹抜けの部分には、鉄骨の階段と廊下が配されて、トップライトからの陽光と、壁の開口からの風が通り抜けるようになっています。
必要な諸室の箱とそれ以外に明快に分け、それぞれに素材を与え、さらに全体を見渡せるようにすることによって、機能的かつ視覚的にも楽しいダイナミックな空間となっています。
(共同設計者:増谷高根建築研究所)
所在地:東京都世田谷区
用途:一戸建ての住宅
構造・規模:混構造(RC+木造)・地下1階 地上3階
延床面積:131㎡
構造設計:ASA
施工会社:アイガー産業
竣工年:2005年
写真:nacasa & partners inc.
Site : Setagaya-ku, Tokyo
Use : Private house
Structure : Hybrid(RC+Wood)
Floors : Basement + 3 upper floors
Total floor area : 131sqm
Structural design : ASA
Construction company : Eiger corporate
photo by nacasa & partners inc.
掲載誌:新建築住宅特集 2006年7月号