京都で工事中だったリノベーションが先日無事引渡しを終えました。築100年の数奇屋建築をホテルに改修しています。木造リノベーションは色々やりましたが、今回はちょっと特別で、既存建物の良くないところを直すのではなく、既存の素晴らしいところをどう残せるかが課題でした。ホテルとしてどうしても付加しなければならない設備を違和感なく挿入するための工夫や、新しく入れる家具の納まり、古いものと新しいものの見せ方など、非常に綿密に考えた設計が必要で、100年前の棟梁と現在の棟梁による技術の重なり合いを、見える形でちりばめられて全体の空間性をつくっています。現場でもかなり注意深い監理が必要でした。引渡しの瞬間は達成感と共にもう終わってしまう喪失感がありますが、これから色んな方に使ってもらえる事を大変嬉しく思います。竣工写真はこれからで、11月にホテルとしてオープンします。またご報告します。

